その131
春の粟島2011
震災で心配していた道路が通行可能になり、連休前の粟島へ出かけてきた。東北道の沿線では屋根瓦の破損している家が見受けられ、道路は驚くほど空いていた。島へ向かう高速艇の客は少なく、以前の賑わいはない。しかし、幸いなことに島では渡りの小鳥たちが元気な姿を見せてくれた。
メジロ
満開の桜にメジロが蜜を吸いに群れていた。一群が去ると次の群れがきて、いつまでも途切れることがない。
センダイムシクイ
芽吹いたばかりの若葉についた毛虫を取っていた。かた時も止まることなく動き、鳴いたり虫を取ったり忙しい。
ニュウナイスズメも桜の毛虫を取っていた。
オオルリは少なかった。渡りの最盛期は少し先らしい。
キビタキ
渡ってきたばかりで疲れているのだろう、動かない。
シメ
群れからはぐれたのか、一羽だった。
ヤツガシラ
島北端にある畑脇の堅い地面を一羽でつついていた。根切り虫や甲虫の幼虫など小さな虫を探し出して食べる。畑のやわらかい土は好まないようで、腐葉土のミミズを取るところは見られなかった。
地面を少しつつくと上を見る。上空のハヤブサを警戒しているのだ。
シロハラは公園の芝生に一羽で餌取りをしていた。
ツグミが校庭の芝生を歩き回って虫を取る。取り方は真冬と同じでも動きが軽快にみえた。
ハチジョウツグミ
普通のツグミのように黒いところはなく、赤みが鮮やかだ。
カシラダカは頭が黒くなっている。スズメノカタビラを食べていた。
草の刈られた農道でヒバリがせっせと虫さがし。よく見ると何羽も草の間を出入りしていた。
タヒバリも同じようなところで同じような動きをする。姿形もよく似ている。
ムネアカタヒバリ
胸の赤いタヒバリがいた。なかなかお目にかかれない小鳥だ。タヒバリより警戒心が強く近づけない。
ノビタキはのんびりしていて、近くで撮らせてくれた。
ベニヒワもスズメノカタビラを食べていた。2羽とも♀で、胸の赤い♂はいなかった。
クロツグミは開けたところに出ても、人の気配ですぐ藪に飛び込む。ゆっくり撮らせてくれない。
一方、クロジは動かないでいると、どんどん寄ってくる。
ミサゴが頭上を2度旋回しただけで、北へ向かった。
港の上を500羽ほどのヒヨドリの群れが渡っていく。と、突然群れが海面すれすれに降りて岸へ戻ってきた。
上空にハヤブサが現れたのだ。
群れから少しだけ離れた一羽が狙われた。
タイミングを計り蹴り落とそうと近づく。狙われたヒヨドリは向きを変えようと必死だ。
足で蹴った。ヒヨドリの羽毛が飛び散る。蹴り落とされたのか。近くのヒヨドリも逃げる。
蹴られたヒヨドリは海面に落ちたが・・・
落ちたヒヨドリは飛び上がって仲間と一緒に飛び出した。ハヤブサの蹴りが甘かったのか、ヒヨドリの逃げが功を奏したのか、今回の狩りは成功しなかった。
ここでは、命を賭けた攻防が春と秋の渡りの季節に何度も繰り返される。