その139

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チゴハヤブサ



チゴハヤブサは栃木県では過去に数度の観察例があるだけで、繁殖した記録はないらしい。図鑑によると東北中部以北の林で繁殖し、秋には南へ渡ると記されている。今回、長野の千曲川河畔で繁殖していると案内してくれる人がいて、子育ての様子を見ることが出来た。巣は周りに遮るものが何もない携帯電話のアンテナらしい鉄骨施設の中にあった。









巣のある隣の鉄塔がチゴハヤブサの見張り台で、餌運びや給餌の時以外は2羽仲良く止まっていた。チゴハヤブサは下腹・脛毛・下尾筒の赤茶色が目立つ。向かって右がメスで赤茶色の中に小さな縦班がある。左のオスには縦班がない。また、翼は尾羽根より長く出ている。










オスが鉄塔から飛び出し下を流れる千曲川の川面を一回り、1分ほどで戻ってきた。足に獲物を掴んでいる。獲物はツバメだ。

その後、運んできた獲物も皆ツバメだった。飛んでいるツバメを追いかけて捕るチゴハヤブサの飛行速度はめっぽう速い。今までに見た猛禽類ではピカイチの速さに感じた。










餌取りに出たオスと一緒にメスも飛び出し巣のある鉄塔に移り、オスが持ってくる獲物を待っている。ここだよーと云っているのか一声鳴いた。










巣では大きく育ったヒナが羽ばたきの練習中。羽ばたきに合わせて飛び上がったりして、活発に動いていた。カラスやオナガが近づくと親が瞬時に追い払ってしまう。見張り台からすぐに飛び出してくるのだ。









オスから獲物を受け取るとメスは直ぐに飛んだ。








奥に回り込んでから巣に飛び込み、放り投げるようにして飛び去ってしまった。ヒナが大きくなると餌を千切って与えることはしないようだ。





オオタカ

チゴハヤブサの親たちが見張り台にしている鉄塔の中段にオオタカの若鳥が飛んで来て止った。上にいたメスが飛び出し、一瞬で追い払ってしまった。飛び出しが早すぎてカメラでは追えなかった。残念。







*チゴハヤブサが繁殖する長野県では、ツミは見られないという。栃木県ではツミは公園で比較的身近に見られる猛禽だ。長野と栃木ではそんなに離れているとは思えないが、ところ変われば棲む鳥も変わる。この棲み分けは何によるものなのだろう。面白い現象だ。


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