その146
舳倉島2012
連休が終わって舳倉島へ出かけてみると、連絡船は風が強く欠航だった。輪島で一泊して渡った甲斐があって、ヒタキやムシクイをはじめ、沢山の鳥たちに出会うことが出来た。初見の鳥もいた。
コサメビタキ
松林から海岸まで島中に渡ってきていた。島はどこもかしこも小さな虫が無数に飛び、ヒタキたちの餌に困ることはない。
サメビタキ
あれほどいたコサメビタキが一晩でサメビタキに入れ替わっていた。餌とりと休養はそこそこに先を急ぐのだろう。
エゾビタキ
海岸の岩場で飛び上がって、また元の岩に戻る、いわゆるフライングキャッチが見られた。数羽がそれぞれの石の上で飛び上がっていた。その様子は早くて写真に収められなかったが、面白くて見飽きない。
オオルリ♀
♀ばかりが松林にいた。♂に比べると色合いはきわめて地味。瑠璃色の部分はどこにもない。
オオルリ♂
渡り途中のオオルリは梢で鳴くことも無く、もっぱら虫捕りに専念。
キビタキ♀
♀はやはり地味な羽衣をしているというか、目立つ必要がないのだろう。
キビタキ♂
胸の黄色味を帯びた橙色はこの時期、一段と鮮やかさを増す。
ムギマキ♂
笹の茂み近くの地面に降りて草に着く虫を捕って、この止まり木に飛び上がっていた。この色合いは昨年生まれの若鳥のようだ。
オジロビタキ♂
波打ち際の石を伝って虫捕りに飛び回っていた。赤い前垂れが良く目立つ。
センダイムシクイ
ムシクイ類はセンダイムシクイが多かった。メボソやキマユも見られたが撮れなかった。
オオヨシキリ
イタドリの先に出て、虫を捕ると一声も鳴かずに隠れてしまった。渡りの途中は虫捕りが忙しいのだ。
シマゴマ
長年見たいと思っていたシマゴマにやっと出会えた。藪から出てきた姿はコルリのようなフットワークで見るからにかろやかだ。少しの物音で藪に飛び込んでしまう。この個体は腹部の白味が足りないので♀か若い♂のようだ。
シマゴマ
これは別の藪。コルリのようで少し控えめな鳴き声が聞こえ、しばらくして出てきた。こちらが♂の成鳥のようだ。シャッターを押すと、その音で一瞬に藪へ消えた。
コホオアカ
草原に残る枯れた茎を伝わって草から出てくるとすぐに飛んでしまう。また、よそから飛んでくると枯れた茎に一旦は止まるが、すぐ草の中に降りてしまう。ゆっくり撮らせてくれない小鳥だ。
シマノジコ
突然、目の前に飛び出してきた小鳥が初見のシマノジコだった。驚きあわてるのは一瞬で、はやる気持ちを抑えて、ゆっくりと体を動かし構えて、なんとか飛ばさずに撮ることが出来た。そして改めて見てみると、これまでに見たこともない背羽根の赤茶色が強烈だった。腹はノジコのようでもあり、2羽が合わさった感じに見える。
シロハラホオジロ
メダケの藪から出てきた。顔はウリボウそっくりだ。胸や腹も普通のホオジロと大分違う。
シロハラホオジロ
藪から出て跳ねまわり、あまり警戒することもなく草の実を探していた。
ノジコ
草丈のある茂みから出て草の実を食べていた。目の周りの白い縁取りが特に目立つ。アオジとは大分違う。
アオアシシギ
松林の中や海岸でアオアシシギの鳴き声が聞こえていた。しかし、姿が見えたのは乾燥した草の中だった。しばらく見ていると、少しずつ動いて見えなくなった。多分夜を待って渡るのだろう。
タイワンハクセキレイ
砂利混じりの草原にいて、虫を追いかけていた。胸の黒い前垂れが大きくて立派だ。
サンショウクイ
6羽ほどいた。毛虫を捕りながら次々と移動し、見えなくなってしばらくすると、また戻ってくるので、何度も出会えた。
ハチジョウツグミ
人が近づいても地面を掘ってしきりに虫を探していた。よほど空腹なのだろう。胸が赤いほかにも全体に赤味があり、ツグミのような黒さがない。
アオバト
鳴き声は聞けても撮影距離にはなかなか止まってくれない。
ツツドリ
遠くのツツドリを撮っても迫力に欠ける。しかし、近くで一度も出会えなかった。
ビンズイ
胸の赤味が他の種類かと思うほど目立っていた。
ビンズイ
こちらは普通に見える。
マミチャジナイ
相当数渡ってきたようで、何度も出会えた。しかし、直ぐに飛んでしまい、じっくり撮らせてくれない。
ツミ
島に渡ってくる小鳥たちを狙って草原に待ち伏せていた。
ツミ
上空からも狙う。
ハヤブサ
足に小鳥を下げ、無線のアンテナ塔へ向かう。捕られたのはなんだろう。
チゴハヤブサ
やはり島中を飛び回っていた。少し弱った小鳥はたちまち餌食になってしまう。
アカエリヒレアシシギ
帰りの船では、航路近くに沢山浮いていた。
アカエリヒレアシシギ
近づいた船に驚き、一斉に飛び立つ。近すぎて大群が一つの画面に入らない。一群はおよそ500羽か。いくつもの群れに出会えた。
オオミズナギドリ
近くに何度も出て楽しませてくれた。
*今年の春は渡りの鳥が少ないと聞いているが、舳倉島では十分満足できる小鳥たちに出会えた。