その148

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オオセッカ



昨年は大震災の後、堤防補修工事でオオセッカの生息場所には入れないと聞いたので、行かなかった。今年は河川敷に入れたが、今まで生息していた葦原は古い葦が刈り取られオオセッカの姿が見られない。オオセッカは枯れた葦の根元に古い葉を集めて巣をつくるので、新しく生えた葦だけの葦原には巣を作らないのだ。付近を探しまわっていると、少し離れた葦原でデスプレィフライトをしているオオセッカを見つけることが出来た。ジュクジュクジュクと囀りながら3羽も4羽も葦から飛び上がって、また葦の中に降りている。元気な囀り飛翔が見られてホッとした。

しかし、オオセッカが繁殖場所に選ぶ葦原はいつも水がしみ出していて、少しの増水でも巣は水没するような危ういところである。しかも、葦の背丈は2mほどしかないやせ地なので、3m以上になる立派な葦原ではないのだ。その結果が繁殖地は局地的になり、生息は中国の一部と日本の一部だけと聞く。個体数は推定2500羽といわれ、生存が風前のともし火の絶滅危惧種だ。








オオセッカ

姿はウグイスの仲間らしく地味だが、ほかに似通った鳥はいないので見間違うことはなさそうだ。










オオセッカ

セッカと同じように大股開きの止まり方をする。大きさもほとんど同じで、尾は比較的長くばらけた感じに見える。










オオセッカ

ジュクジュクジュクと囀りながら数メートルの高さに上がると、直ぐに葦の中へ降りてしまう。これを精力的に何度も繰り返していた。










オオセッカ

この日は向かい風が吹き、葦は手前側に倒れるので、オオセッカが止まると止まり木の葦で腹が切れたショットばかりが撮れてしまう。









セッカ

顔や尾先にメリハリがあり、オオセッカとは大分違う。近くで巣作りしているらしく、何度も出てくる。セッカは一度飛び出すとセッセセッセ・カッカカッカと葦原の上を不規則に飛びまわり、飛んでいるところは一枚も撮れなかった。












コジュリン

コジュリンもオオセッカほどではないが繁殖は局地的であり、繁殖場所の好みが激しい。クロ坊主と云われるだけあって、黒い頭が良く目立つ。










ヒバリ

近くのシロツメクサの中をヒバリのつがいが歩いていた。冬に見るヒバリと違ってメリハリの利いた文様になっている。



*渡良瀬遊水地では葦焼きが2年続けて無かったので、オオセッカが繁殖するかもしれないと期待しながら見守っている。まだ、繁殖している話は聞かない。


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