その158

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冬のヒクイナ

 

関東ではヒクイナは初夏に南から渡ってきて繁殖するいわゆる夏鳥とされている。そのヒクイナが埼玉の小河川で冬越しをしていると聞き、行ってみると圃場整備された水田の中に学校が建ち住宅が点在する間を法面が土端のままの小さな川の葦中に確かにいた。散歩の人が土手を歩き、カメラを向けられても少し警戒しながらではあるが葦の間からエサ採りに出てくる。傷病鳥かと見てみいると散歩の人が昨年も3月頃までは見られたと教えてくれた。水田の雑草を手で取っていた40年ほど昔は稲株の上に小さな巣を作り、子育てするヒクイナは普通に見られた。その後、渡良瀬遊水地や鬼怒川でまれに見ることがあっても、葦の間から垣間見る程度で、いつも素早く隠れてしまい、じっくり見ることはなかった。


 

ヒクイナ

警戒心が薄いのは繁殖期ではないからなのか個体差なのか、じっくり見られてありがたい。


 

「緋水鶏」の緋色が波紋に浮かんできれいにみえる。

 

深いところは泳ぎも達者なようだ。

 

クイナ

少し離れたところでクイナも出て撮らせてくれた。こちらは冬に北から渡ってきて春には北へ帰る冬鳥だ。ヒクイナと比べると二回りも大きくみえる。

 

*小学唱歌「夏は来ぬ」にある「クイナなき 卯の花匂う・・・・」はクイナではなくてヒクイナなのだろう。昔々を思い浮かべると旧五月節句のころに植えたばかりの水田からヒクイナの鳴き声がよく聞こえていた。


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