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渡良瀬遊水地では、福島原発の影響で、2年続けて取り止めになっていた葦焼きが、今年の春は行われた。枯れた葦が溜まっていたのと乾燥と風向きとが葦焼きには良かったようで、谷中湖周辺の一部を除くほぼ全域が焼けた。焼け方は今までに見たこともないほどに焼けつくされ、十日後に行って時には、全体に真っ黒の原っぱとなっていた。焼けつくされた地面には枯葉が全く見当たらない。サンカノゴイやオオセッカは、どこへ行っているのだろうかと、今年の繁殖が懸念されるほどだ。しかし、4月半ばに行ったときには、タケノコのように伸び出した葦の若芽で地面は緑一色になっていた。


 

野焼き十日後(3月27日)

 





野焼き一月後

 






6月中旬には葦の上を飛ぶサンカノゴイが確認できた。しかし、昨年のように近くから飛びだすことはなかった。葦焼きで枯れ葦が焼き尽くされたことよりも、この時期の地面の乾燥が繁殖には良くないらしい。

 





オオヨシキリ

一番大きな声で鳴きまくっているが、意外に警戒心は強く、近寄ってくることはない。

 





コヨシキリ

こちらは人の近くまで寄ってきて良くさえずる。

 



セッカ

葦の上をセッセ セッセ カッカと鳴きながら高く低く飛び回わり、じつに賑やか。今年はファインダにセッカの飛び姿をほとんど捉えられない、心身の老化を実感してしまった。したがって、飛び姿の撮影は一枚も成功しなかった。

 

 

*オオセッカは遠くで10羽ほどが飛び上がる姿が見られたが、撮影距離を飛ぶものはなかった。これは昨年より巣をかけるのに適した背の低いスゲが奥に移動してしまったからのようだ。

渡良瀬遊水地はラムサール条約に登録されて一年になり、保全には一段と力が入ってくることだろう。より多くの種の棲息を期待したい。


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